どちらも植物を用いた癒しの方法である、園芸療法とガーデンセラピー。だが、それぞれに特徴や違いがあるので確認しよう。

園芸療法は、特にリハビリテーションや治療の一環として行われるもので、医療や福祉の現場で多く用いられる。具体的には、植物を育てることで身体の機能改善や心の健全化を目指すものである。例えば、手先を使って土を触ることで手のリハビリを行ったり、植物の成長を観察して心のリラックスを図るなどの効果が期待される。

一方、ガーデンセラピーは、より広い意味での癒しを提供する活動である。こちらは特に治療やリハビリを目的とするわけではなく、庭や自然の中で過ごすこと自体が心と体に良い影響を与えると考えられている。日常生活に取り入れやすく、家庭の庭や公園などで気軽に行うことができる。植物の緑や花の色、香りなどが五感を刺激し、ストレス軽減やリラックス効果があるとされている。

また、園芸療法は専門家が指導することが多く、個々の状態に合わせたプログラムが組まれることが一般的である。一方、ガーデンセラピーは特別な指導がなくても誰でも実施できる点で、手軽さが魅力である。庭でのんびりと過ごしたり、散歩をするだけでもガーデンセラピーの効果がある。

このように、園芸療法は特定の目的を持ち、専門家のサポートのもとで行われる治療的なアプローチである。ガーデンセラピーは広く一般に癒しを提供するもので、自分のペースで楽しむことができる。それぞれの特徴を理解することで、どちらが介護現場に合っているかを見極め、生活に取り入れることができる。

どちらも植物の力を活用した素晴らしいアプローチなので、利用者や施設のニーズに合わせて選んでみてはいかがだろうか。